コラム:12/3(火)セミナー関連キーワード紹介「次世代シーケンサーの開発から全ゲノム解析」
2024年12月3日(火)16:30~ 18:00、当センターでは
【滋慶科学セミナー シリーズ1】大規模遺伝子解析が拓く新たな世界
第一回「次世代シーケンサーの開発から全ゲノム解析」を実施します。
そこで、よりセミナーの理解が深まるように、今回のセミナーに関連するキーワードを紹介したいと思います。
・DNAシーケンサー:
DNA断片の塩基配列を解読する装置のこと。DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素を用いてDNA断片を合成し、解析する方法が元となっている。
・次世代(NGS)シーケンサー:
上記のDNAシーケンサーと比べて格段に速い速度でDNAの塩基配列を読み取ることができる装置。次世代シーケンサーも年々改良が為され、その度に性能が上がってきている。
・DNA(デオキシリボ核酸):
DNAは遺伝子の本体となる化学物質である。DNAを構成するのは、ヌクレオチドと呼ばれる分子で、これは、デオキシリボース、リン酸および塩基からなっている。ヌクレオチド分子は重合して、一列の鎖状に連なる分子となる(1本鎖DNA)。細胞の中では通常、一本鎖DNAが2本それぞれの鎖の塩基の部分で対合して二重らせん構造をとった二本鎖DNAとして存在している。
・DNAを構成する塩基:
DNAを構成する塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、の4種類である。対合する二本鎖DNAにおいて、アデニンはチミンと、グアニンはシトシンと強固な水素結合を形成して安定化している。この4種類の塩基の配列が蛋白質の構造を規定している。
・ゲノム:
生物のDNAの文字列に表された遺伝情報すべてのこと。
ゲノム中の塩基配列を解析し、蛋白質を規定するコーディング領域や非コーディング領域を特定し、病気の診断、遺伝子の機能解析等に利用される。
・コーティング領域:
DNAの塩基配列中の遺伝情報がコードされた領域である。
遺伝情報がコードされておらずタンパク質合成前に削除されるDNA配列を非コーディング領域という。
・蛋白質:
アミノ酸がペプチド結合して出来た高分子化合物のこと。
アミノ酸が数個結合したものをペプチド、10個前後結合したものをオリゴペプチド、それ以上結合したものをポリペプチドと呼ぶ。
ポリペプチドの中でアミノ酸の個数が数十個以上で特定の立体構造をもつものを蛋白質と呼ぶ。
・アミノ酸:
アミノ基とカルボキシ基から構成されている有機化合物を指す。
生体を構成するアミノ酸は20種類である。
蛋白質を構成するアミノ酸の数、種類、配列は蛋白質ごとに異なっていて、その違いによって蛋白質の性質が決定されている。
・なぜ塩基配列を決定することが重要なのか?
DNA上の塩基配列が蛋白質の構造を規定している。したがって塩基配列に異常があると、正常ではない蛋白質が作られることになる。私たちの身体の中で化学反応を司るのは酵素と呼ばれる蛋白質によるものである。酵素に異常が起こると正常な化学反応が進行しなくなり、重篤な病気になったり死にいたることになる。
細胞の核の中には複数の染色体(ヒトでは46本)があり、それぞれが1本のDNAである。
ゲノムはDNAのすべてを読み取った情報であり、DNAの遺伝子の情報と、遺伝子以外の情報の両方が含まれ、遺伝に関わる全情報をDNAの塩基配列で知ることができる。
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介したキーワードについて大まかに頭に入れてお越しいただくと、よりセミナーを楽しんでいただけるかと思います。難しいと思われた方も、当日はわかりやすく説明しますのでご安心くださいね。
皆様のご参加をお待ちしております。